ディップ社員にインタビュー

2019.11.07

ディップの社員インタビュー

コトバにするだけで泣いてくれたお客さんがいる。それが僕の原点。(佐々木太洋/広告制作部部長)

クリエイティブ統括部広告制作部の部長、佐々木の胸の内に秘めた想いとは。

Interview&Text_Masanori Takahashi | Edit_Takashi Murata | Photo_​Eri ​Hirochi​

実は元営業マン。でもやっぱり向いてなくて(笑)。得意を活かすために転職した「制作」という道。

 僕のキャリアは「営業職」からスタートしています。
80人程度の人材系のベンチャーで、中小企業の社長を相手にヘッドハンティングの営業をしていました。でも、いろいろうまくいかなくて。

 そんなとき、「佐々木は社内でも文章力が高いから、活かす仕事をさせてやれ」と言ってくれた上司がいて。
そこからは社内資料の作成がメインの仕事になって、先輩や上司からも評価してもらえるようになりました。
そこからは「違う自分になるのはムリ。得意を活かそう」と考えるようになりました。

 そこで、自分の仕事にしようと思い、ブックデザインという制作会社(2006年、ディップが株式を取得しグループ化。2008年、吸収合併)に転職することを決めました。

コトバにするだけで泣いてくれたお客さんがいる。それが僕のクリエイティブの原点。

――入社当時の仕事は?
 「ジョブエンジン(ディップが運営していた中途採用ページの検索サイト。現在は終了)」の制作ディレクターをしていました。

――うまくいきましたか?
 つまずきました(笑)。
ひとつの企業に3時間ほど取材をして、月に5本ほど「ジョブエンジン」に掲載する中途採用ページをつくっていましたが、専門職で仕事内容がイメージしきれないまま取材を終えたり、ユーザーに伝わりづらい言葉を使ってライティングしてしまったり。

 たとえばセキュリティの会社で「堅牢性」という言葉を使ったら、当時の上司「堅牢性ってなんやねん。伝わらん」とかなり怒られました(笑)。
広告は基本読まれないものだから、0.1秒でも考えさせたらダメ。そういう制作の基本をイチから学びましたね。

――思い出深い仕事はありますか?
 何年もお付き合いがあったのは、某居酒屋チェーンですね。
「ジョブエンジン」が終わってからもバイトルの担当として何年か関わらせてもらいました。
当時そのクライアントは、世間からの評判があまりよくなかった。
でも制作担当として、数年間で20~30人の人に会い、何cmもあるような資料をいくつも読み込んでいくうちに、自分自身が誤解していたということに気づいたんですよね。
「すごくいい会社じゃん!」って。

 一度、採用担当の方に泣かれたことがあります。
「御社って、ホントはこういう会社ですよね。だからこういう人が必要ですよね。だからこういうメッセージを伝えましょう」と提案したら、「そうです!僕はずっとこれが言いたかったんです!」って。

 たとえ自分の会社だったとしても、その課題や魅力に気づいていないお客さんはたくさんいます。
だからこそ、それを発見し、代弁してくれる人を切に求めている。コトバの力、クリエイティブの力って、そういうところにあるんだと思います。

今は、数値や効果がより問われるようになった。でも“クリエイティブ”の力は絶対に必要です。

――最近はクリエイティブにこだわるのではなく条件でマッチングさせることも多いじゃないですか。そのあたりはいかがですか。
 たしかに、僕が入った頃とくらべると、いろいろと時代は変わっています。
求人に限らず、広告のWeb・デジタル化が進み、効果(アクセス数、CTR、CVR)がよりシビアに問われるようになりました。
「なぜそのターゲットを狙うのか」
「なぜその魅力を伝えるのか」
「その広告をのせるとどういう効果が得られるのか」
という数値的な根拠も求められます。
端的に言えば、広告を買ってもらうのが難しい時代になってきた。
そこで数年前から導入しはじめたのが、「ダイレクトマーケティング」の考え方です。

 それまでの制作は、どちらかと言うとアカウントプランニングの制作手法一辺倒でやっていました。
企業の特徴をつかみ、ターゲットを定め、そのターゲットの気持ち(インサイト)を想像し、心が動く表現を考える。
それに対するのがダイレクトマーケティングで、具体的には「『反応』がすべて」と考えます。
掲載エリア、ターゲット、魅力因子…いろんな要素においてパターンを試し、その結果(数値)をもとにさらに次のパターンを考え、PDCAをまわし、効果を最適化していく。
2017年の後半から営業部の効果対策で取り入れたのですが、今までに手を出していなかった分野だからか、一定の成果を上げることができました。

――そうなると、制作の仕事は反応の最適化、ダイレクトマーケティング的な手法に傾倒していくのでしょうか?
 そんなことはありません。
前例(効果)をもとにロジックを組み立てていくダイレクトマーケティングは、顕在層の応募を獲得するのには向いていますが、潜在層の獲得には向いていません。

 ダイレクトマーケティングは、あくまでも手法のひとつで、万能じゃない。
クライアントの課題は多岐にわたり、採用の難易度はますます増していくので、顕在層をとりきったあとには潜在層にもターゲットを広げる必要が出てくるし、「前例の踏襲では得られない新たな打ち手」を求められる機会も必ず出てきます。
どちらがいい悪いではなく、世の中のさまざまな手法を学びながら、課題に合わせて「最適な手法で解決できる人になる」という考え方が大事になってくるんじゃないでしょうか。

ひとりひとりのポジティブな想いが、世の中を動かす世界になってほしい。

――佐々木さんが大切にしていることを教えてください。
 僕はもともと、ポスト資本主義の在り方を学生時代に少しかじっていました。
なので、ビジネスというのは、あくまでも社会の一部であり、すべてではないと。
ビジネスを突き詰めれば突き詰めるほど、必ず影の部分が出てくる。
そのため「ビジネスの成功は、必ずしも社会の成功とはいえない」という意識がいつもあり、ときどき仕事の成果に言い訳をつけていた時期があります。
上司にビジネス雑誌を読めと言われても、「そんなの僕の人生には関係ないんで」と断っていたこともあります(笑)。

――イヤな部下ですね…。
 ははは。でもそんなときに知ったのがムハマド・ユヌスです。
ムハマド・ユヌスは、バングラデシュで貧困層の女性向けに少額の融資を行うためのシステムを考え、グラミン銀行を設立しました。
その銀行により、顧客の半数以上が絶対的貧困から抜け出し、1日3回の食事をとれるようになり、衛生的なトイレと雨漏りしない家を持てるようになったそうです。
その功績が認められ、2006年にはノーベル平和賞も受賞しています。
つまり資本主義というシステムを使いながらも、同時に社会の課題を解決したということです。

――それって、ディップの「私たちdipは夢とアイデアと情熱で社会を改善する存在となる」とも通じるところがありますね。
 そうだと思います。
僕がディップでがんばろうと思えるのも、その根幹に共感するからです。

 もちろん日々たくさんの仕事があるし、売上や利益も大事です。
でも利益を上げているところだけが、株主に人気なわけじゃないですよね。
未来の理想やワクワクを描き、「未来への期待値からお金を集める」企業も増えてきています。

 僕は、働くからには社会を良くしていきたい。
「誰かのことを良くしたい、救ってあげたい、幸せになってほしい」というプラスの想いが世の中を動かす世界になってほしいと思っています。
そのためにも、メンバーひとりひとりに「この仕事の先に誰がいるのか。誰を幸せにするのか」を考えてほしいし、僕自身もビジネスと社会課題の解決を両立できる組織をつくっていきたいと考えています。

 
詳しくは、コチラ

佐々木 太洋(ささき ひろうみ)

人材サービス事業本部クリエイティブ統括部統括部広告制作部長。2006年12月入社。広告制作部のビジョン・ミッション・戦略設計を企てながら、約70名の制作部の指揮を執る。かなりスリム。

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