ディップの創業を調べるお(※1)、ということで採用説明会などでよく聞かれる創業の物語について答えするコーナーを始めますm9( ゚Д゚)ドーン!
冨田という創業者が始めたこの会社にも、創業のドラマがありました。
こちらを徐々にお伝えしていきます。
冨田のひとりがたりスタイルです。
第九弾は「ハンバーガー」と共に会社に伝わるエピソード。
忘れられぬラーメンの味
開発費と利用料。
IBMとの交渉で私に突きつけられたものも”資金“でした。
アイデアはあるのにカネはない。
この状況は変わってはいませんでした。
しかし、私はまさにここが正念場と思い、システムが未完成であるにもかかわらず、先にコンテンツを集める営業を開始することにしました。
代金は先払いという、こちらに非常に都合のいい話です。
普通に考えたら不可能でしょうが、私は片っ端から企業をまわり、営業活動を開始しました。
IBMはすでに端末を都内1000 店舗のコンビニエンスストアに設置済みということで、あとはこちらの欲するシステムを開発するだけでスタートできる。
そんな状態を、指を加えて見ているわけにはいかなかったのです。
電車代さえなかったので、地下鉄の2、3区間を歩くのは当たり前。靴は2カ月で穴が開きました。
それでも当時の私は不思議と気持ちだけは高揚していました。
ボロボロになった靴を見て、自分の働きぶりをほめてやりたいくらいに思っていました。
ちょうどこの頃、前職の仲間と再会する機会がありました。
私が今営業活動中でIBMと組むことを話すと、「自分もそのビジネスを手伝いたい」と、部下2人を連れて事業に参加してくれることになりました。
私には当時、払える給料なんてありませんでした。
出世払いにしてくれという話をしたら、それでいいということで、彼らも東京へやってくることになりました。
新しく加わった仲間たちは1泊4000円ほどのビジネスホテルの1部屋を借り、そこで半年間を過ごしました。
社員の食費は私も含め、4人で1日1000円。
死にものぐるいで営業し、カップラーメン、おにぎりでお腹を満たす毎日でした。
その甲斐あってか、何とか半年で約束の金額をIBM に支払うことができ、システムが完成しました。
端末のカテゴリーには、 車、ブライダル、各種スクール、旅行、人材派遣など、さまざまな企業が並んでいます。
私は仲間を誘い、お祝いで外食することにしました。
「今日は、カップに入っていないラーメンを食べに行こう」
店に入って、 チャーハンも頼もうとしたら、皆びっくりです。
「そんなに贅沢して、おカネは大丈夫ですか?」
この日食べたラーメンの味は忘れられないものになりました。
第十弾もお楽しみに。
転載:ダイヤモンド社制作「ファンダーズスピリット」