657人分6000件の電話データから分かった「生まれながらの女性の才能」

こんにちは!ディップインターン生の小熊です!

早速ですが皆さん、「テレアポは女性が有利」という説をご存じですか?
ディップの社員さんたちに聞いたところ、これは営業職界隈での一般的な認識らしいです。

私はこの説を聞いたとき、「なぜ??」そして、「本当??」この2つの感情を抱きました。

今回の記事では、「なぜ??」の部分に関してWEBや上司に聞いてみた結果と、「本当??」の部分に関して、657人分6000件のデータを使って定量的に検証してみた結果の2つをお伝えします!

「テレアポは女性が有利」と言われる理由

1.脳の違い

一般的に、女性脳は直感や感性に、男性脳は論理的思考力に長けていると言われています。
この脳の違いから、会話のスタンスも異なるとされており、女性は共感を求め、男性は課題解決、結果を求める傾向にあるようです

男女の会話

女性「最近会社でうまくいかなくて、、、」

男性「どうして上手くいかないのか原因を一緒に考えよう」

女性「違う!共感してほしいだけなの!」

男性「え、ごめん…」

極端ですがよく聞く会話ですよね(笑)

少し話がそれましたが「電話でアポを取る」という場合においては、女性の共感スタンスが有利に働くそうです。

2.声のトーン

同じ内容の電話が来たとして、「高くて明るい声」と「低くて暗めの声」だったら、どちらが好印象でしょうか。

多くの人は「高くて明るい声」を選ぶと思います。

事実、ビジネスシーンにおける電話では、声のトーンを上げるように指導されることが多いようです。
この点で、もともとの声が高い人が多い女性が有利になるのは想像出来ます。

3.安心感

非常に抽象的な理由ですが、この安心感は女性の持つ多くの要素が合わさった結果だと思います。

例えば、上で説明した女性脳声のトーンも関係していて、心理学的には「高く聞きやすい声による、共感型の会話」「低く聞きにくい声による、課題解決型の会話」よりもストレス不可が少ないと言えます。

ストレスが少ないほうが、安心しますよね!

実データを使った検証

ここまで色々調べてみて、それっぽい理由が沢山出てきました。
でも本当にアポの取りやすさに影響するのでしょうか。
皆さんも気になりますよね??

ここからは、「本当??」を定量的に解消していきます。

今回使うデータは、弊社ディップに蓄積された、営業行動データです。
1.分析手順、2.分析結果の順に示していきます。

1.分析手順

手順1    全営業データから、テレアポ業務のみを抽出
          テレアポ業務の中でも、電話が繋がったものに絞りました。
          (電話が繋がるか否かに男女差は無い前提です。)

手順2    テレアポ業務データ内の担当者名から、男性・女性を区別
            657人分の名前を目視で確認して、男女に振り分けました。大変でした…
            そして意外と男女の区別が付きにくい名前が多く、苦戦しました。
            こんな感じで男子:0、女子:1でラベル付けしました。

手順3    テレアポ業務データを男女に分けて、アポ取得率を算出
              以下のように、男女ごとにアポ結果を抜き出し、

それぞれに関して、「アポ取得できた」と「アポ取得できなかった」をカウントします。

最後に、(アポ取得できた) ÷ (アポ取得できた + アポ取得できなかった)を男女それぞれ計算して、アポ取得率を算出します。

いたってシンプルな集計作業ですが、男女区別に時間が掛かりました…
データ分析をする上で、時には泥臭い作業も必要ということを痛感しました。

2.分析結果

男性アポ取得率:20.03%
女性アポ取得率:22.28%

2%女性が勝っている、という結果になりました。

皆さんはこの結果を見てどう感じましたか?
「2%しか変わらないじゃん!この説は嘘だったのか、、、」
「2%も違うじゃん!この説は本当だったんだ!」
と、人によって感じ方が違うと思います。

ここで終わってしまうと検証にならないので、解釈を1つにそろえようと思います。

こんな時に役立つのが統計学における検定です。

χ二乗検定

今回は有意水準5%のχ二乗検定を行います。χ二乗検定の詳細説明は省きますが、こちらのサイトが分かりやすいかと思います。

手順1    仮説設定

ここでは、帰無仮説と対立仮説を設定します。

帰無仮説とは、とりあえず設定する仮定のことです。
一方対立仮説は、帰無仮説を仮定とするのが適切ではない、という結論になった時に採択される仮説です。
今回は下記のように設定します。

仮説
帰無仮説:「テレアポの取りやすさに、男女差は存在しない」

対立仮説:「テレアポの取りやすさに、男女差が存在する」

手順2    結果のクロス集計表を作成

実際の集計結果をクロス集計表にまとめます。

手順3    期待度数表を作成

期待度数表とは帰無仮説を正しいとした時に、なるはずの結果を表すものです。

今回の例で言うと、帰無仮説が正しい、すなわち、「テレアポの取りやすさに、男女差がない」とすれば、アポ取得率は(全アポ取得数) ÷ (全テレアポ数) = (1210) ÷ (5794) = 0.208%
になります。男女に差がないとしたので、男性も女性も共にアポ取得率が0.208になり、そのように辻褄を合わせた結果が、期待度数表です。


確認で、男性と女性のアポ取得率を計算してみると、
男性アポ取得率 = 752.6476 ÷ 3604 = 0.208
女性アポ取得率 = 457.3524 ÷ 2190 = 0.208
ちゃんと0.208になってますね!

手順4    実際の集計結果と、期待度数の差を算出

ここでは、実際の結果と期待度数(帰無仮説を正しいとした時に、なるはずの結果)がどの程度ずれているかを以下の式を用いて算出します。

差 = (実際の結果 – 期待度数)^2 ÷ (期待度数)

この式を、各値に関して行った結果が下の表です。

手順5    χ二乗値を算出

χ二乗値は、手順4で求めた各値ごとの差の合計値で、全体としての差を表しています。

χ二乗値 = (1.247959 + 0.329413 + 2.053719 + 0.542103) =  4.173194

手順6    P値を算出

今回は自由度1のχ二乗分布を前提にしているので、その分布の上でのP値を求めます。
自由度とχ二乗値が分かっていれば、Excelで簡単にP値を算出できます。

P値 = 0.041146

この「P値」が意味するのは、帰無仮説を正しいとした時に、実際に観測した結果が偶然起こる確率です。
今回の例では、帰無仮説「テレアポの取りやすさに、男女差は存在しない」を正しいとした時、「女性が男性より2%勝っている」という結果が偶然起こる確率がP値(約4.1%)ということです。
P値が設定した有意水準を下回るとき、
「偶然起こる可能性が非常に低い」 → 「仮説そのものが間違っている」
とし、帰無仮説を棄却します。

結論

検定結果
                    P値 = 0.041146 < 0.05 (有意水準)

                    帰無仮説を棄却し、対立仮説を採用

よって、統計学的には「テレアポの取りやすさに、男女差が存在する」すなわち

「テレアポは女性が有利」

という結果になりました!これで皆さんの解釈が1つにまとまりましたね!

最後に

今回は、「テレアポは女性が有利」という説を定量的に検証しました。

勿論、弊社ディップの営業データを用いた分析であるため、他の企業様で同様の結果が出るとは限りませんが、サンプル数的にもそれなりに信頼できる分析結果になったのではと思います。
今後も実データを使った分析、検証の結果を記事にしていく予定ですので、お楽しみに!

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